季節を家族と楽しむ

2017/07/24

夏から秋へと移ろうこの時期は、少しずつ色づく木々の葉に目を向け、虫の声にも耳を傾け、街を歩けば金木犀などの香りも存分に楽しめるという、なんとも五感に贅沢な季節だ。そしてその季節を心地よく感じながら家族と過ごせることも、実はありえないほどこの上なく贅沢で心満たされるものだ。

こんな季節こそ、パパママは休息をとって日々の気ぜわしさから少し離れてみてはいかがだろうか。子どもが一瞬一瞬に感じていることにただ目を向け、ただ耳を傾け、ただふれあえってみよう。よいわるい、できているできていないなどはまったく関係なく、今現在の子どものありのままを感じられるはずだ。

たくさんのスケジュールに追われた日々は、どうしてもそれらの時間を守ることを最優先して、子どもの気持ちや考えを置きざりにしてしまう。時間は離さず手放さずにいるのに、手放してはいけないはずの子どもの考えや気持ちを遠く手放してしまっていることも多い。

時間やスケジュールを守ることに必死になってばかりだと、からだはいつも肩や腕に力が入ってしまって呼吸も浅い状態に等しいといわれている。そして時間を気にしないでよいときも力が抜けなくなり、肩や腕に力んでいるということ自体にすら徐々に気づかなくなってゆく。

興味深いことにその力みが続いていくと、こころの面では日々余分な不安など「抱え込むクセ」もついてまわるという。不安を抱え込むだけではない。偏食や食べ過ぎ便秘につながる。手放せず力むことが、不安もモノも「抱え込む」ことが上手になってしまう。

そして、どれほどの方がお気づきだろうか?
そのようなからだの状態で子どもに向き合っていても、実は子どもは実は心底ホッとして安心できず、心を寄せられる瞬間が少ないことを。

パパママの無意識の力みは子どもに少なからず影響・伝染していく。ホッと安心できないということは、もちろん子どものからだもゆるまない。ゆるまないということはON・OFFの切り替えがうまくいかない。ON・OFFの切り替えがうまくいかないと、まだまだ成長著しい子どもも不安になり混乱して、結局は実力を発揮したい場面でものびのびと実力を発揮できなくなる。一生懸命に子どもに向き合っているとき、力を込めてがんばっていると感じるときこそ、力みだけではなくゆるみを忘れていないか、笑顔から遠ざかっていないか、その行動が実は本末転倒になってはいないか立ち止まってみるのもよいかもしれない。

家族で一緒にからだを動かすには、今が最適の季節だ。
Social Sports Parkでは、季節ごとにみんなが笑顔でリラックスしながらいろいろなからだの動きを楽しんでいる。力むことなく抱え込むことなく、ただ一緒に走り、手を合わせ、呼吸を合わせ、子どもたちのこころや気持ちが大いに反映できるプログラムをお届けしている。肩に力を入れることなく、みんなで子どもたちのありのままを見守る大切さを思い出して頂くことも多いようだ。ぜひご家族のリフレッシュと休息と絆の場として活用していただきたい。パパママのゆるやかな息づかいや笑顔、深くやわらかいこころは確実に子どもの成長につながっていく。

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投稿者:多田奈美
※プロフィール
車椅子バスケットボール選手や成長期のアスリートを対象にしたトレーニングに携わる。また、東京ユニバーサルフィルハーモニー管弦楽団フルート首席奏者をはじめとした交響楽団所属のプロ音楽家をクライアントに持ちフィジカルメンテナンスを担当している。プロ音楽家のためのフィットネス主宰。三児の母。